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FET(電界効果トランジスタ)による超伝導発見

東北大のグループで、絶縁体に電圧をかけてキャリアーを注入(ドープ)することによって、2次元の超伝導体ができることが確かめられたそうです。



このアイデアは、ベル研のヘンドリック・シェーン (Jan Hendrik Schön)によって捏造された有機FET(field effect transistor)による超伝導という、一連のウソ(USO:unidentified superconducting object)の論文が元になったものと思われます。

シェーンの論文は捏造だったけれど、アイデアは正しかったわけで、シェーンが再び日の目を見ることもあるかもしれません。

(※field effectによるsuperconductorは、誰かが約50年前に予言していたらしいです。一番下の追記参照。)



なお、絶縁体の界面での2次元超伝導は、去年すでに見つかっていたようです。

絶縁体のLaAlO3とSrTiO3を用いて、200 mK(0.2 K)で超伝導になったそうです。

元論文が読めないのでわかりませんが、FETの形で電圧をかけてキャリア注入したのではないみたいです。

"Superconducting Interfaces Between Insulating Oxides", N. Reyren, S. Thiel, A. D. Caviglia, L. Fitting Kourkoutis, G. Hammerl, C. Richter, C. W. Schneider, T. Kopp, A.-S. Rüetschi, D. Jaccard, M. Gabay, D. A. Muller, J.-M. Triscone, and J. Mannhart, Science, 317 (5842), 1196-1199 (2007)
DOI: 10.1126/science.1146006
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/317/5842/1196




東北大のグループは、たぶん上の論文を参考にして、上記の論文と同じSrTiO3の単結晶と、LaAlO3の代わりの有機高分子を用いたFETを作成したようです。

Tcは0.4 Kで、上記の0.2 Kを上回ってます。

わずか3.5Vのゲート電圧(電気的二重層をつくってキャリアを注入する電圧)で超伝導になったというのが驚きです。


"Electric-field-induced superconductivity in an insulator", K. Ueno, S. Nakamura, H. Shimotani, A. Ohtomo, N. Kimura, T. Nojima, H. Aoki, Y. Iwasa, M. Kawasaki, Nature Materials, Published online: 12 October 2008

doi:10.1038/nmat2298

http://www.nature.com/nmat/journal/vaop/ncurrent/abs/nmat2298.html


当然、シェーンの捏造論文と同じ芳香族化合物の単結晶やC60などでも実験が進められていると思うので、今後出てくるかもしれません。





電圧加え超電導 世界初の成功 東北大グループ

10月13日7時15分配信 河北新報

 東北大原子分子材料科学高等研究機構の川崎雅司教授(電子材料学)と東北大金属材料研究所の岩佐義宏教授(固体物理学)のグループは、絶縁体を組み合わせた物質に電圧を加えることで、超電導状態をつくり出すことに世界で初めて成功した。これまで金属を極低温まで冷やすか、銅や鉄などの酸化物系物質をつくることでしか起こせなかった超電導が、電気制御という第三の手法で発現可能になった。

 川崎教授によると、多くの研究者が絶縁体に電圧を加えて超電導を起こそうと挑戦してきたが、成功例はなかった
 グループは、ともに絶縁体のチタン酸ストロンチウムとポリエチレンオキシドを組み合わせた回路を作製。電圧をかけてセ氏零下約273度まで冷却した結果、絶縁体同士が接する部分のチタン酸ストロンチウム側で電気抵抗がゼロになった。

 電圧は乾電池並みの低さで、従来より容易に超電導状態になるかどうかが分かり、超電導を起こす物質かどうかを調べることができる。
 川崎教授は酸化物を、岩佐教授は有機分子を用い、それぞれ電気制御を研究している。得意分野の材料を組み合わせることで、超電導物質の新たな手法による発見に成功した。

 川崎教授は「超電導を起こす第三の手法が見つかった。停滞していた超電導物質の研究が一気に進む可能性がある。より高い温度での超電導の実現も夢ではない」と話している。
 研究成果は13日、英国科学誌ネイチャーマテリアルズの電子版で公表された。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081013-00000002-khk-l04



記事の「第3の手法」という意味がよくわかりません。

有機超伝導体やMgB2はどこに行った?



追記

絶縁体+プラスチック=超伝導現象 東北大が新手法
2008年10月14日7時0分
川崎さんらは、パソコンや携帯電話の回路で使われる絶縁体の「チタン酸ストロンチウム」に注目。高純度にした材料に電極をつけてトランジスタに似た構造をつくり、プラスチックの層をつけた。このプラスチックはハイブリッド車などの電源で使われ、電気を蓄える性質をもつ。

 こうした構造に高い電圧をかけながら温度を下げた。すると、電気をまったく通さない絶縁体なのに電気が流れ始め、絶対零度に近い零下272.85度という極低温で電気抵抗がなくなった。電圧をかける「電界効果」という手法で、超伝導現象を操作したのは世界初だという。

 実は「電界効果で制御する素子も超伝導になるはずだ」という予言が、約50年前に出ている。だが、素子ができたとしても電圧によって壊れてしまっていた。高電圧に耐えるプラスチックの登場で実現したという。
http://www.asahi.com/science/update/1012/TKY200810120208.html

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